胃カメラ(胃内視鏡検査)とは
胃カメラ(胃内視鏡検査)は、鼻もしくは口から内視鏡を挿入していき、食道、胃、十二指腸の内腔を観察する検査です。また内腔の様子を単に観察するだけでなく、疑わしいと思われる組織の一部を内視鏡にある鉗子によって採取し、顕微鏡で詳細を調べること(生検)が可能です。
当院での内視鏡検査は消化器内視鏡専門医・指導医である院長が担当します。豊富な経験と高度な技術を有しておりますので、限りなく苦痛を軽減した安全な検査を行うことができ、かつ病気の早期診断、早期治療を実践することができます。
当院の内視鏡システム
当院の内視鏡システムは、大学病院等で使用されている最上位機種の富士フィルム社製LASAREO700を使用しています。波長の異なる2種類のレーザー光による観察が可能で、レーザー光の発行比率を変えることで、粘膜表面の微細な血管や構造が強調される「BLI機能」、わずかな色の違いを強調する「LCI機能」の2種類の画像強調観察を行うことができます。このような画像強調観察を用いて、胃がんなどの病気の早期発見・診断をより確実にしていくことができます。
検査の結果、入院加療や手術が必要という場合は、当クリニックの連携先でもある総合病院などを紹介いたします。
- 以下のような症状がある方、医師から以下の指摘を受けた方は胃カメラ検査をお勧めします(例)
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- みぞおちの周辺が痛む
- 胃の不快感・胸やけ・喉または胸のつかえを感じる
- 吐き気・嘔吐・吐血の症状がある
- 体重が急激に減少している
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を繰り返している
- 家族が胃がん・食道がんにかかったことがある
- 塩分を多くとる
- バリウムによる胃の検診で異常を指摘された
- 胃カメラによる検査で発見されやすい疾患(例)
- 逆流性食道炎、胃炎(急性・慢性)、胃ポリープ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道がん、食道ポリープ、胃がん など
経口内視鏡と経鼻内視鏡
上部消化管内視鏡には2つの挿入法があります。ひとつは、従来からある口から挿入する方法の経口内視鏡で、もうひとつが検査中の苦痛が少ないとされる経鼻内視鏡です。当クリニックではどちらの方法にも対応可能な最新で最高の細径スコープ、富士フィルム社製レザリオEG-580NW7を使用しています。従来の経鼻内視鏡用の細径スコープは画質が悪いという欠点がありましたが、近年の技術進歩により細径スコープの画質は飛躍的に進歩し、EG-580NW7については通常の経口法の太いスコープと比較しても同等以上の画質がでるようになりました。経鼻内視鏡検査が可能であり、経口内視鏡として使用しても径が細くなった分、苦痛が軽減されるメリットがあります。経鼻内視鏡、経口内視鏡にはそれぞれの特徴がありますので、ご希望に応じた内視鏡の挿入法を選択することが可能です。
経鼻内視鏡
内視鏡先端部の直径が5.8mmと大変細いスコープを左右どちらかの鼻腔から挿入していきます。そして食道や胃に向かって内視鏡を入れていくわけですが、その際に舌の付け根に内視鏡のスコープが触れることはないので、不快感や嘔吐反射は起きにくく、苦痛の少ない検査が可能です。
また検査中でも口が塞がっている状態ではないので、医師と会話することもできます。当院では最新、最高の細径スコープを使用しており、スコープの径は細くとも、通常の経口内視鏡用の太いスコープと同等以上の画質が得られ、病気の早期発見、早期診断が可能です。
なお経鼻内視鏡を希望したとしても、鼻の違和感に耐えられない、もともと鼻腔が狭い、鼻に何らかの疾患(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎 など)があるという場合は、経口内視鏡による検査をお勧めしています。
経口内視鏡
口から内視鏡を挿入していく従来からある内視鏡のことを言います。鼻の特徴により経鼻内視鏡を行うのが難しい場合、あるいは今まで経口内視鏡で苦痛があまりなかった方がよい適応になります。この場合、検査中は舌の付け根などにチューブが触れ続けることになるので嘔吐反射が出やすくなるわけですが、当院では従来の太いスコープではなく、最新の細径スコープを使用するので、従来の検査より苦痛は軽減されます。さらに、希望がある場合には、苦痛をできるだけ緩和するべく、鎮静剤を使用したセデーションを行うことも可能です。セデーションを行うと検査中はボーッとした状態、あるいは寝ている状態で検査を受けることになり、苦痛が軽減されます。
検査を受けるにあたって
胃カメラ(胃内視鏡検査)を希望する場合、まずは外来を受診して頂き、胃カメラ検査の適応を確認し、胃カメラ検査を受けるにあたって問題がないことを確認してから日時の予約をして頂きます。その際、経鼻内視鏡か経口内視鏡かを選択して頂き、感染症検査(血液検査)も行います。その後、検査前、検査当日、検査後についての注意点などを丁寧に説明していきます。
具体的には、検査前日の夕食は軽めにして、21時以降は水を除く飲食は避ける、検査当日の朝は飲食(水は可)、喫煙、常備薬の摂取はしないといった説明があります。なお、常用薬があるという方は事前に医師へ相談するようにしてください。なお胃カメラ検査は以下のような流れで行われます。
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1.消泡剤を飲む
検査をしやすくするために消泡剤(白い液体)を飲みます。これによって胃内にある泡を除去していきます。
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2.麻酔を使用
経口内視鏡では咽頭麻酔、経鼻内視鏡で鼻の中に麻酔をしていきます。
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3.内視鏡の挿入(検査の開始)
検査台で横になったら内視鏡を挿入していきます。鎮静剤(セデーション)を使用する場合は投与してから挿入していきます。
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4.胃内などを観察
主に食道・胃・十二指腸の内壁を観察し、病変の有無を確認していきます。疑われる組織があれば一部を採取することもあります。ちなみに経口内視鏡の場合、唾液が口の中に溜まるようになりますが、それは飲み込まずに口の横から流し出すようにします。
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5.検査終了
医師が隅々まで胃などの内腔の様子を確認すると終了です。検査時間は観察だけであれば10分くらいです。
検査後の注意点に関して
検査が終了してもいくつか守っていただきたい事項があります。この点につきましても検査が決まった時点で説明いたします。注意点とは以下の通りです。
- 経鼻内視鏡検査を受診された場合、その後しばらくは鼻を強くかまないでください。
- 検査後、咽頭麻酔が切れるまで、1時間程度は飲食を控えてください。
- 鎮静剤を使用した方は、検査後30分程度ベッド上で経過を見た後に帰宅となりますが、事故や転倒のリスクがあるため、検査当日は、ご自身による、車、バイク、自転車の運転は控えてください。
- 胃カメラ施行時に胃に空気を入れて膨らませるので、検査後はお腹が張りますが、ただ次第に楽になりますので、心配する必要はありません。